「アウトレイジ」を観ました
ビートたけしはあの映画が観客に伝えたいこと等
あって制作したのでしょうか
アウトレイジはエンタメのつもりで撮った筈です。
だから芸術映画の祭典であるカンヌ国際映画祭のコンペに選ばれて
たけし本人がビックリしてたんですよね。
だからこそ映画祭自体での審査員評価はいまひとつでしたが、
エンタメなだけに観客受けは非常に良く、
世界各国から上映オファーが来て、
映画祭開催中から続々と上映が決まっていったと記憶しています。
さてたけしにとっての暴力表現ですが、
「痛さ」を痛いまま表現することに拘りを持っているそうです。
映画やドラマ、漫画に出てくる暴力表現は、
効果音や血の表現は凄くても、見ている分にはさほど痛いように見えない。
殴られた俳優が平気で立ち上がってくる。
だから人が真似したくなるし、殴られた時の他人の傷みもわからない。
痛い事をされたから痛いんだと観客が見てわかるように撮ってる―――と
どこかのインタビューで答えていたと記憶しています。
たけしは中学から高校までプロボクサーを目指して
ジム通いをしていた事があるので、
嘘臭い表現には多少なりとし難いものがあるのだと思います。
だからアウトレイジで言いたい事があったとしたら、
「ヤクザなんかカッコイイもんじゃない、こんな最期が待っている」
じゃないでしょうか。
義理人情だけでは生きていけなく
なったヤクザ社会。
現代ヤクザは、頭脳とハイテクで勝負。
これは、政治の世界も同じなんだよ。
腑抜けばかりが集まって「井の中の蛙」問答
ばかりやっていては、お話にもなにもならない
つぅの。
内部抗争ばかりやってんじゃねえよ。
生き残るためには、ヤクザ世界も政治世界も
「アウトレイジ=極悪非道」でいけよ。
所詮この世は「ワル」が生き残るようにできて
るんだからさ。
わかるでしょ。
この映画にでてくる11人の男ね。
全員が「ワル」
いいやつなんか一人もいない。
だから、随所に登場する暴力シーンや
殺害シーンの痛さと残忍さが際立つんだよ。
政治家も「ワル」に徹せよ。
昔から暴力描写に定評のある監督さんですが、その暴力の恐ろしさを真摯にとらえ、
暴力に説得力を持たせている作品は、過去の物で何本かあります。
「アウトレイジ」の場合は、暴力をエンターテイメントとして描いてますね。
まず、見せるための暴力があって、ストーリーは後付けされてるようです。
チェーンソウで人を切る映画もありますよね。
あれと同じで、暴力をエンターテイメントとして成立させようとしたんだと思います。
ただ、他の監督さんの映画よりは痛々しさの度合いが強いですよね。
ですから、当然好き嫌いは分かれると思います。
フランスの映画館では途中退席者が続出したそうです。
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